ディスク型遠心分離機の原理 | Alfa Laval

ディスク型遠心分離機の原理

世の中には様々なタイプの分離技術が存在しています。ディスク(分離板)を用いた遠心分離機は、遠心力を利用して液体中に含まれる比重(密度)の異なる物質を分離する装置です。その最大のメリットは遠心力だけで処理液中に分散した固体や液体を効率よく的確に分離できることです。

工業用遠心分離機は、大きく「遠心沈降機」「デカンター」「遠心脱水機」に分類することができ、ディスク型遠心分離機は「遠心沈降機」の一部になります。

disc_stack_centrifuge_illustration01.jpg

遠心力で固体・液体を分離

ディスク型遠心分離機は、回転軸の回りに下に開いた円錐形(傘型)のディスク(分離板)を積み重ねることにより、9m2という据付面積で300,000m2以上の広大な分離沈降面積が達成できる構造となっています。これにより、小さなスペースで大量・高速の分離が可能です。ディスクは0.5mmの間隔で数百枚積み重なり、ディスクの間に5,000~15,000Gの遠心力がかかって分離は瞬時に終了。粒径0.1ミクロン、比重差2%までの固液、液液分離を連続的に行えるため、お客様のプロセスにおける“大量処理” “コストパフォーマンス”“信頼性” の3つのニーズに応えることができます。
遠心分離機は処理液中の重い物質の重力による自然沈降を、遠心力によって時には重力の10,000倍を超える力に変換して沈降分離を促進させる仕組みです。処理液中に浮遊する固体粒子が落下する際の重力沈降速度Vgはストークスの法則で表せます。  分離機 ストークス.jpg

この式から分離する2物質の比重差や固形分の粒径が大きく、処理液の粘度が小さいほど、より早く分離することが分かります。液中の物質を沈降法で効率よく分離するには、

❶粒子の重力沈降速度Vgを上げ、❷粒子の分離面までの沈降距離を短くする、の二つの方法が考えられます。

❶はストークスの法則の重力加速度gを遠心力に置換えることで沈降速度を上げる。

❷は底面積を広くすることで分離面までの沈降距離をみじかくする。

この二つの原理がもとになりディスク型遠心分離機のアイデアへと発展しました。

先ほどの沈降距離を短くするために容器の中に板を入れると、底面積の広い容器を使わなくても沈降距離を短くできます。

さらに、薄い板を何枚も重ねるように傾斜させて挿入することにより大量分離、連続フローに対応でき、より早く大量に沈降・分離します。そして遠心力を使うために円筒形の容器の中に薄い板の代わりに傾斜の付いた円錐状ディスクを挿入し、処理液の入口・出口を設けて「ディスク型遠心分離機」のボウルが完成しました。固液分離の場合、ボウルの中に供給された処理液はディスク間で瞬時に固形分と液体に分離されます。固形分はディスク間上部を遠心力方向に移動し、液体はディスク間下部を通って中央に分配されます。ディスク型遠心分離機処理量Qは理論的に次の式で表されます。

分離機の処理量

ここでΣはディスクの物理的形状と回転速度を組合わせた分離沈降面積と呼ばれるもので、

分離機 沈降面積

と表されます。すなわち、ディスク型遠心分離機の性能は分離沈降面積Σによって決まります。一般に円筒(シャープレス)型遠心分離機は回転による遠心力だけでΣを上げていますが、処理能力アップの条件は遠心力だけではなく、Σの式でも分かるようにディスクの枚数、大きさ、角度なども大いに関わっています。この要素に着目して処理能力を飛躍的に高めたのがディスク型遠心分離機というわけです。ディスクの採用により分離沈降面積Σが遙かに大きく取れるようになりました。

ディスク型遠心分離機原理R3.jpg


ディスク型遠心分離機のメリット

  • 固液、液液、液液固分離ができます。
  • 遠心力は最大15,000Gで、0.1ミクロンまでの粒子がフィルター助剤や凝集剤なしに分離できます。
  • 滞留量が小さいので処理液の切替や処理停止がすばやくできます。
  • オートメーション化がきわめて簡単で、人件費が節約できます。
  • 空気に触れてはいけない場合、密閉運転ができます。
  • 分離を瞬時におこない、処理液の変性などを抑えることができます。
  • 完全連続運転で、長時間の無人運転が可能です。
  • 防爆仕様が可能です。
  • 据付スペースが極めて小さくて済みます。