データセンター向け 高効率熱交換ソリューション
高発熱・AIサーバーの熱課題を解決する
データセンター向け 高効率熱交換ソリューション
ラックあたり40kW〜100kWを超えるAI・GPUサーバーの高密度化に伴い、空冷から水冷・液冷への移行が急速に進んでいます。
アルファ・ラバルは、AHRI 400認証プレート式熱交換器を中核に、チップ近傍の液冷(Direct-to-Chip / 液浸冷却)、冷凍機を停止させるウォーターサイド・エコノマイザー、自然冷熱フリークーリング、さらにはサーバー排熱の有効利用まで、施設全体の冷却効率と省エネを最適化します。
サーバーから施設全体をつなぐ 4つの冷却アプローチ
サーバー内部のチップ近傍から、建屋の施設水ループ、自然冷熱の活用、排熱の地域連携まで。
アルファ・ラバルがカバーする冷却ソリューションの全体像をご紹介します。
高発熱チップを直接冷却:Direct-to-Chip & 液浸冷却
CPUやGPU上に密着させたコールドプレートに冷却液を通流する「ダイレクト・トゥ・チップ(Direct-to-Chip)」方式、および高密度サーバーを不活性液体に浸す「液浸冷却」に対応します。
ラック内や列端に配置されるCDU(冷却水循環配分ユニット)に、アルファ・ラバルのブレージングプレート式熱交換器(BPHE)を採用。施設側の一水系ループとサーバー側の二次冷却水ループを完全に分離し、高耐圧・省スペースで確実な熱交換を行います。
冷凍機(チラー)動力を大幅削減:ウォーターサイド・エコノマイザー
外気温度が低下する中間期や冬季に、冷却塔からの冷水をプレート式熱交換器(GPHE)に通し、冷凍機(チラー)をバイパスして直接ITループへ送水。コンプレッサーの稼働時間を減らし、大幅な省エネを実現します。
また、外部冷却に必要な循環ポンプ、熱交換、精密ろ過を単一モジュールに統合した「FreeWaterLoop」により、既存の空冷施設から水冷・液冷システムへの円滑な移行をサポートします。
豊富な自然冷熱を活用:外気・河川水・海水フリークーリング
寒冷期の外気を活用する空冷式フリークーリングに加え、近隣の河川、湖、海水、地下水などを冷熱源として直接活用。機械式冷凍機への電力依存度を極限まで低減します。
自然水利用時の課題となる「砂泥や生物付着による目詰まり」は、自動逆洗式アルファ・ラバル・フィルター(ALF)が解決。水流を止めずに連続自動逆洗を行い、熱交換器の閉塞を未然に防ぎます。
サーバー排熱を地域社会の熱源へ:データセンター排熱利用
データセンターから排出される温水(30℃〜50℃)をそのまま大気へ捨てるのではなく、アルファ・ラバルの高効率熱交換器や産業用ヒートポンプで回収・昇温(65℃〜80℃)します。
近隣の地域暖房(District Heating)や商業施設、温水プール、アグリビジネス(温室・植物工場)へ熱エネルギーとして供給。データセンターの総合エネルギー効率(ERF)を向上させ、地域全体の脱炭素化に貢献します。
データセンター冷却方式の比較と選定ガイド
ラックの熱密度や既設設備の状況に合わせて、最適な冷却アプローチを比較いただけます。
ご検討中の要件を選択すると、推奨される構成がハイライト表示されます。
| 冷却方式 | 対応ラック電力 | 想定 PUE | チラー電力削減見込み | 既存設備への適用 | 推奨熱交換器・機器 | 関連情報 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 従来型空冷 (CRAC / CRAH) | 〜15 kW / ラック | 1.50 〜 1.80 | 基準値 (0%) | 標準仕様 | チラー用凝縮器 / 蒸発器 | 従来方式 |
| ウォーターサイド・エコノマイザー 中間期・冬季の省エネに推奨 | 15 〜 30 kW / ラック | 1.20 〜 1.35 | 40% 〜 60% 削減 | 高(配管追設により導入可能) | GPHE Tシリーズ (AHRI 400認証) | 製品詳細 → |
| 自然冷熱フリークーリング 水源近接サイトに推奨 | 20 〜 40 kW / ラック | 1.12 〜 1.25 | 60% 〜 85% 削減 | 中(冷熱水源への接続・許認可) | GPHEチタン仕様 + ALFフィルター | 製品詳細 → |
| Direct-to-Chip 液冷 (DTC) 高発熱AI・GPUラックに推奨 | 40 〜 100+ kW / ラック | 1.10 〜 1.18 | 70% 〜 90% 削減 | 高(CDU増設で列単位導入可能) | BPHE AC/CBシリーズ (CDU内蔵) | 製品詳細 → |
| 単相・二相 液浸冷却 (Immersion) 超高発熱密度 | 80 〜 150+ kW / タンク | 1.05 〜 1.12 | 85% 〜 95% 削減 | 専用設計が必要 | 高効率GPHE / 耐食BPHE | 製品詳細 → |
| サーバー排熱回収・地域熱供給 脱炭素・地域熱供給 | 排熱全量を回収可能 | ERF大幅向上 | 地域熱需要の代替 | 高(外部ヒートポンプ等と連携) | ヒートポンプ用GPHE / 半溶接プレート | 製品詳細 → |
冷却方式の選定・熱計算サイジングのご相談
ラック熱密度や既設の熱源設備条件をもとに、最適な熱交換器構成とPUE改善効果をご提案します。
データセンター冷却の技術動向と最新レポート
AIインフラの進化に伴い、冷却システムにはこれまで以上の効率と持続可能性が求められています。
国際的な標準化動向や実証データ、技術白書をまとめました。
Cooling the AI Revolution(AI時代の冷却技術)
AI・GPUクラスターの急激な電力密度増加に対応する冷却アプローチ。最先端データセンターでの熱設計トレンドと液冷技術の進化を解説。
Atmosphere Report: Data Center 2025
低GWP冷媒の適用やプレート式熱交換器による省エネ効果など、データセンターの環境負荷低減と熱効率向上をまとめた技術レポート。
Open Compute Project (OCP) への参画
世界の主要クラウド事業者が推進するOCP(Open Compute Project)に参加。液冷ラックおよびCDUインターフェースのオープン標準化に貢献しています。
110 Consecutive Days of Free Cooling
年間110日間にわたり冷凍機(チラー)を完全停止させたフリークーリングの実証記録。プレート熱交換器を用いた自然冷熱活用の具体例を紹介。
データセンター冷却 省エネ・電力コスト削減シミュレーター
新設データセンターの基本計画・仕様選定、および既存施設の部分液冷化・省エネ改修に向けて、IT負荷規模や比較対象とする標準構成(ベースライン)を選択することで、最新の冷却技術によるPUE改善幅と年間電力コスト(OPEX)の削減見込みを試算できます。
IT設備規模・電気料金の設定
比較基準とする冷却方式(ベースライン)
ご検討中の次世代冷却プラン
年間削減効果の試算結果
- CDU内蔵高耐圧ブレージング熱交換器 (BPHE ACシリーズ)
- AHRI 400認証プレート熱交換器 (GPHE Tシリーズ)
- 冷却水自動逆洗ストレーナ (ALFフィルター)
試算の算定根拠・計算式および公式出典情報
算定計算式(エネルギー工学モデル)
年間電力削減量 (kWh)
= IT負荷容量 (kW) × (ΔPUE) × 8,760時間/年
年間電気代削減額 (円)
= 年間電力削減量 (kWh) × 設定電力料金単価 (円/kWh)
年間CO2排出削減量 (t-CO2)
= 年間電力削減量 (kWh) × 0.441 kg-CO2/kWh ÷ 1,000
※ 年間連続稼働 8,760時間(24時間365日定格運転)を前提として試算しています。ΔPUE = 現行PUE − 改善後PUE。
PUE基準値および各プランの算定前提
- 比較基準PUE(1.60 / 1.45 / 1.30):新設データセンターにおける従来型の標準設計仕様、国内既存施設の実績値、および省エネ法判断基準(目標PUE 1.4以下)を参考に設定。新設検討時のベースライン比較、および既設改修の両方に対応。
- プランA(エコノマイザー導入 1.22):AHRI 400認証プレート熱交換器によるチラーバイパス運転時の平均的実績値。
- プランB(DTC液冷+エコノマイザー 1.14):Direct-to-Chip液冷(CDU)と一次系ループ最適化を組み合わせた高密度AIサーバー冷却モデル値。
- プランC(自然冷熱+排熱利用 1.08):自然水フリークーリングと排熱回収(Heat Reuse)を統合した高効率データセンターのモデル値。
技術資料・準拠規格
既存データセンターの段階的な水冷・液冷化フロー
施設の稼働を継続しながら、投資効果に合わせて無理なく進められる3段階のステップ。
チラーバイパス(エコノマイザー)の導入
サーバルーム内の工事を行わず、機械室の一次水冷ループにプレート式熱交換器を追加。中間期・冬季にチラーを停止させ、早期に電力コストを削減します。
高発熱ラック列の部分水冷・液冷化
発熱密度の高いAI・GPUラック列にインロー型CDU(ブレージング熱交換器内蔵)を配備。Direct-to-Chip液冷により、局所的な熱問題を確実に解消します。
自然冷熱の活用と排熱の有効利用
外気や近隣水源を利用したフリークーリングを導入し、さらに温排水をヒートポンプ等で回収。周辺施設や地域熱供給へ熱を提供し、持続可能な施設運用を実現します。
段階的な水冷・液冷化プランのご相談
現行設備の稼働を停止させずに進める改修ステップや、費用対効果の算出を専門チームがサポートします。
国内外における主要な導入実績
スーパーコンピュータ「富岳」をはじめ、世界各地のメガクラウドや地域熱供給プロジェクトで採用されています。
理化学研究所・富士通 スーパーコンピュータ「富岳」
世界トップレベルの演算性能を誇るスーパーコンピュータ「富岳」のCPUノード冷却に、アルファ・ラバルのプレート式熱交換器が採用されました。高い流量と微小な温度差という厳しい熱設計要件を満たし、安定した連続稼働と高水準な電力効率(エネルギー消費効率)を支えています。
イタリア Aruba社:地下水フリークーリングによる省エネデータセンター
豊富な地下水を冷熱源として利用し、プレート式熱交換器と自動逆洗式ALFフィルターを組み合わせることで、チラーの稼働時間を極限まで削減。年間数千トンのCO2排出抑制に貢献しています。
導入事例を見る →デンマーク オーデンセ市:データセンター排熱による地域暖房
ハイパースケールデータセンターから生じる温水をヒートポンプと熱交換器で昇温し、市街地の地域暖房網へ供給。年間数万世帯分の暖房熱需要をカバーしています。
導入事例を見る →よくあるご質問(FAQ)
はい、十分に可能です。建屋内の一次冷却水配管から分岐を取り、発熱密度の高いAIサーバー列にCDU(クーラント分配ユニット)を配置することで、空冷ラックと液冷ラックを同一フロア内で共存運用できます。アルファ・ラバルのブレージングプレート式熱交換器(BPHE)が、CDU内部で省スペースかつ高耐圧な一次・二次ループ熱交換を行います。
冷却塔の開放冷却水や自然水源(河川・地下水等)には、異物や砂泥が含まれます。アルファ・ラバルでは、プレート熱交換器の上流に自動逆洗フィルター「ALF」の設置を推奨しています。水流を止めることなく自動で逆洗・異物排出を行うため、熱交換器の詰まりを防ぎ、日常のメンテナンス負荷を大幅に軽減できます。
はい、実用化の検討が進んでいます。日本国内では、隣接するオフィスや物流施設、温水利用施設、農業ハウス(植物工場)などへの熱供給が有力な選択肢です。30℃〜40℃程度のサーバー排熱をヒートポンプで昇温し、有効利用するシステム構成について、初期構想段階からご相談いただけます。
はい、基本構想やフィジビリティスタディ(F/S)の段階から承っています。「PUE目標を達成するための温度条件」「液冷と空冷の最適な組み合わせ」「設置スペースに収まるプレート熱交換器の寸法・重量」など、熱工学の専門エンジニアが熱計算や機器選定をサポートいたします。
技術白書:データセンターにおける持続可能性と冷却戦略の進化
高発熱密度化への対応策、空冷から液冷への移行ステップ、ウォーターサイド・エコノマイザーとAHRI 400認証がもたらすPUE改善効果を詳しく解説した技術白書です。
データセンター冷却に関するご相談・お問い合わせ
熱設計の課題、機器選定・サイジング、仕様書や納入図面のご相談など、専任チームがお応えします。