ワイドギャッププレート式熱交換器

繊維や粗い粒子を含んだ流体、粘度が高い流体の熱交換を目的に開発された「プレート式」です。一般的な「プレート式」や他型式の熱交換器ではどうしても目詰まりを起こしてしまう流体に、ワイドギャップの流路で対応。詰まりやすい流体でも器内の閉塞を防ぎ、洗浄回数を大幅に削減します。さらに、独自の波形プレートが流体に高度な乱流を発生させ、熱交換効率を飛躍的に高めます。製糖、発酵アルコールの蒸留プロセス、化学プロセス、紙・パルプ工業などで、多管式熱交換器の限界を越えた性能を発揮しています。

widegap left side transp 640x360

詰まりやすい流体の熱交換に最適化された設計

アルファ・ラバル ワイドギャップは、繊維や粗い粒子を含む流体、または粘性の高い液体の取り扱いに適しています。スムーズなポート設計により、繊維が入口で詰まることはありません。

アルファ・ラバルのワイドギャッププレート式熱交換器は、そういった流体でもメンテナンスが容易で、耐用年数も長くなっています。独自の機能の一部をご紹介します。

  • ClipGrip™ ガスケット – 接着剤を使用せずに適切な位置に簡単に取り付け可能なクリップ式のガスケット
  • 接着式ガスケット – 2液硬化型エポキシ接着剤により、洗浄条件下でもガスケットが外れにくいガスケット固定方式

さらに、遊動フレームのガイドローラー、締付ボルトのベアリングボックス、強化ハンガー付きプレートによる5点支持アライメントシステムにより、重い工具不要でかつプレートを損傷するリスクを低減。熱交換器フレームの分解・組立が容易な構造になっています。

アルファ・ラバルのワイドギャッププレート式熱交換器は、使用条件や運転能力が変更された場合でも、プレートの組み換えや枚数変更で迅速かつ容易に対応が可能です。さらに、当社の技術者によるサポートと純正部品で、設備の信頼性を確保できます。

保守・サポートサービスについて

お客様のお近くのサポート体制は こちらから 

特長と利点

  • 汚れや詰まりの懸念がある用途でも稼働時間を最大化
  • 優れた伝熱効率
  • 条件や能力に合わせた柔軟な設計
  • 容易なメンテナンス性 
  • 世界中どこでも利用可能なサポート体制

動作原理

ガスケットプレート式熱交換器の伝熱部は、設計圧力を保持するフレームとプレッシャープレートの間に組み合わされた一連の波状プレートで構成されています。プレート間はガスケットでシーリングされています。伝熱効率と対応可能な温度差を最小化するために、流体はプレートの隙間を乱流となって流れます。ワイドギャッププレート式熱交換器は、繊維や粗い粒子を含んだ液体、高粘性流体などを扱うために設計が最適化されています。プレートパターンとプレス深さの設計により、これらの流体は熱交換器内をスムーズに流れます。

プレート間の乱流が大きいと熱伝達が大きくなりますが、他方では圧力損失が発生します。当社の技術者は、最大の熱性能と最小の圧力損失のバランスを実現しながら、お客様の用途に適した機種や構成の設計と選択をお手伝いします。

ワイドギャッププレート式熱交換器は、様々な構成が可能です。チャンネルのギャップは、広い/広い、または広い/狭い、異なるチャンネルのギャップを選択することができます。また、十分な乱流を確保するために、一般的にはマルチパスで構成されます。

液体/液体GPHE

蒸気用ガスケットプレート式熱交換器

2パスガスケットプレート式熱交換器

新しい基準の需要

世界で最新のガスケットプレート式熱交換器をご紹介します。 当社の新しいガスケットプレート式熱交換器は、より大きな効率、信頼性、保守性をもたらします。

Demand new standards Webbanner EN

導入事例

ガスケットプレート式熱交換器によるバイオエタノール製造の最適化

蒸留塔の熱交換器の運転・保守費用が急増したため、バイオエタノー ル製造企業であるエタノール・エナジー社はアルファ・ラバルに相談を持ち掛けました。設備の状態確認の結果、熱交換器の流路が狭すぎるため、可溶分を含む乾燥穀物を多く含む繊維質の液体を適切に処理できないことが判明しました。古いユニットをアルファ・ラバルのワイドギャッププレート式熱交換器3台と交換することで、エタノール・エナジー社は稼働時間を最大限に伸ばし、洗浄頻度やランニングコストを最小限に抑え、 生産性や製品の品質を向上させることができました。

bioethanol

エタノール生産者がアルファ・ラバルの熱交換器を使用することで得た利点

2本の田舎道が交差する場所に位置するこのエタノール製造会社は、米国中西部の小さな田舎町にあります。この工場では、クリーンで燃焼性の高いハイオク燃料であるエタノールを生産しており、年間1億3,500万ガロンの生産能力を有しています。この施設では、トウモロコシ/ミロを利用して自然発酵によりエタノールを生産し、ガソリンやその他の自動車燃料に混合する燃料グレードのエタノールを製造しています。

Corn on stalk