アルファ・ラバルのLCAソリューション・インサイトで実現する持続可能性の推進

ギリシャを代表する果実加工メーカーであるCHBグループは、1955年の創業以来、持続可能性を最優先課題としてきました。農場から小売に至るまで、同グループは環境パフォーマンスの向上に継続的に取り組んでいます。 EUの排出規制への対応を見据え、CHBグループはアルファ・ラバルと連携し、「Alfa Laval Life-cycle Assessment(LCA)ソリューション」を活用して自社の環境影響を評価しました。このツールにより、柑橘類を濃縮ジュースやNFC(非濃縮)ジュースに加工するプロセスにおける環境負荷を比較。炭素フットプリントとウォーターフットプリントを定量的に可視化することで、CHBはオペレーションの最適化、効率性の向上、そして顧客との関係強化につながる具体的なインサイトを得ることができました。

更新日 2025-05-12
lemons in a wooden box

持続可能性に向けた長年の戦略的パートナーシップ

CHBグループは、最先端の生産拠点を2カ所に構え、世界89か国の顧客向けに15種類以上の果実を加工しています。CHBは戦略的パートナーであるアルファ・ラバルと連携し、「Alfa Laval LCAソリューション」を活用して、自社の操業による環境負荷を評価しました。

「アルファ・ラバルとの戦略的パートナーシップにより、LCAソリューションを活用して加工ラインの効率性を評価することができました」とCHBグループCEOのニコラス・クリストドゥルー氏は述べています。「これにより、私たちの操業が環境に与える影響をより深く理解し、スコープ3排出への対応を進めるとともに、ジュース製造における持続可能性の取り組みを顧客に効果的に伝える手段を強化することができました。」

データを行動可能なインサイトに変える

Alfa Laval LCAソリューションは、サプライチェーンおよび生産プロセスをスケーラブルにデジタルマッピングする機能を備えています。重要なデータを入力することで、柑橘類の生産者は製品のカーボンフットプリントを測定・検証することが可能です。これにより、ギリシャの果実加工メーカーは、エネルギーや水の使用を最小限に抑え、廃棄物を削減し、生産の各段階――洗浄、選別、搾汁、ろ過、殺菌、包装――における効率を改善するための機会を特定できます。こうしたインサイトは、効率改善と大幅なコスト削減を推進すると同時に、持続可能性のパフォーマンス向上にも寄与します。

「LCAソリューションは、私たちの環境パフォーマンスを向上させるための具体的なインサイトを提供してくれました」とCEOは語ります。「エネルギーと水の使用量を削減し、廃棄物の最小化につながる方策を見出すことができました。このツールは、柑橘類ジュースおよび濃縮製品の炭素排出量を、認証された検証済みの手法で完全に透明な形で数値化してくれました。また、土地や水の利用を含む16の環境要素に対する当社の操業の影響も評価してくれました。これらのインサイトは、大幅なコスト削減と効率改善への道筋を示してくれています。」

AL mock up product footprint

高度なツールによるデータ精度の向上

メーカーからのデータにギャップがある場合でも、LCAソリューションは「Climate Crop Database」を活用することで対応します。このデータベースは、世界250種類以上の作物について国別の情報を提供しており、CHBはサプライヤー固有のデータがなくても環境影響を分析することが可能です。また、プラットフォームを通じてサプライヤーが直接データを入力・共有できる仕組みもあり、透明性が向上し、意思決定が迅速化され、サステナビリティ評価の精度も高まります。

LCA分析の結果、製品のカーボンフットプリントの大部分がエネルギーや熱の消費ではなく、果実そのものに由来していることが明らかになりました。CHBはすでに副産物の一部を再利用していましたが、今回の知見によりさらなる最適化の余地があることが示されました。副産物の回収・再利用の拡大によって、CHBの持続可能性への取り組みはさらに強化されます。

また、CHBグループはサプライヤーと連携することで、果実の栽培段階における排出量削減にも取り組むことができ、圃場からの二酸化炭素排出量(CO2換算)のさらなる低減が期待されます。

サステナビリティ・インサイトで顧客を支援

Alfa Laval LCAソリューションは、直感的なダッシュボードを通じてCHBにリアルタイムで環境影響データを提供します。社内の最適化にとどまらず、顧客製品や原材料の環境影響を検証されたデータで評価することにより、顧客のサステナビリティ目標達成もサポートします。

アルファ・ラバルとの協業により、LCAソリューションを活用して私たちの加工ラインの効率を評価・向上させることができました。
CHBグループ CEO ニコラス・クリストドゥルー

基本的なデータ入力から始め、より詳細な分析へと段階的に進めることで、CHBグループは今や持続可能性パフォーマンスの全体像を把握できるようになりました。LCAソリューションは、サプライチェーンの透明性を高め、環境影響を低減する機会に関する実用的なインサイトを提供し、サステナビリティへの取り組みを明確かつ信頼性をもって顧客に伝える支援も行います。これらの機能により、CHBグループの市場における競争力は強化され、持続可能な実践へのコミットメントもさらに確かなものとなりました。果実加工メーカーとして、同社とその顧客の双方が環境目標の達成に一歩近づいています。