効率が利益を生む:アルファ・ラバルのスパイラル熱交換器が原油精製所で160万ユーロのコスト削減を実現
1999年、あるロシアの石油会社が新たに製油所を取得し、近代化とコスト管理を最優先課題に掲げました。 特に、ビスブレーキング工程で使用されていた熱交換器の高いメンテナンスコストが大きな懸念となっていました。 そこでアルファ・ラバルは、自社のスパイラル熱交換器がこの課題を解決できることを実証する役割を担いました。 その結果は見事で、大幅なコスト削減と効率向上が実現されました。
更新日 2025-10-07
課題
新たに取得されたこの製油所では、特にビスブレーキング工程の底部冷却工程において、熱交換器に深刻な付着物(Fouling)の問題を抱えていました。この付着物の影響により、燃料消費量とCO₂排出量が増加し、メンテナンスコストも年間165万ユーロに達していました。製油所はこれらのコストを削減し、プラント全体の性能と収益性を向上させるための解決策を必要としていました。
スパイラル熱交換器は、ビスブレーキング装置に入る供給原料を、ビスブレイク残渣の冷却によって予熱する役割を担っています。
ソリューション
アルファ・ラバルは、製油所で使用されていた12台のシェル&チューブ式熱交換器を、8台のスパイラル熱交換器に置き換えることを提案しました。スパイラル熱交換器は、単一流路構造、均一な流速プロファイル、セルフクリーニング効果、デッドゾーン(滞留域)のない設計により、付着物が多い用途に最適な構造を持っています。また、スパイラル流と向流設計によって、従来のシェル&チューブ式熱交換器と比較して、熱回収効率がより高いことも特長です。
プロセス導入
2001年1月、提案された8台のうち2台がパイロットプロジェクトとして設置されました。その結果は非常に良好で、初年度のメンテナンスコスト削減額だけで投資額を回収できました。2002年までに、すべての12台のシェル&チューブ式熱交換器が8台のスパイラル熱交換器に置き換えられました。新しい熱交換器はビスブレーキング工程の底部冷却を完全に担い、年1回の点検と予防清掃のみで安定稼働しています。
効果と利点
アルファ・ラバルのスパイラル熱交換器の導入により、大幅なコスト削減と運転効率の向上が実現しました。
- メンテナンスコスト:年間165万ユーロから3,000ユーロへ削減。
- 投資回収期間:洗浄コストベースで1年以内に回収。
- 付着物:導入以降、ほとんど発生なし。
- 効率:熱伝達効率が最大4倍に向上。
- 安全性:安全対策が強化。
- 生産性:スループットと生産が安定・高収益化。
アルファ・ラバルのスパイラル熱交換器の成功導入により、製油所は多額のメンテナンスコストを削減し、運転効率と信頼性を大きく向上させることに成功しました。
Download