醸造所の脱気設備の高度化で、より高品質なクラフトビールを実現

英国最大級の独立系クラフトビール醸造所の一つであるVocation Breweryでは、プロセスの最適化とサステナビリティの推進を両立させています。同社は脱気システムの導入にあたり、製品品質と生産効率の向上を図ると同時に、事業運営に伴う環境負荷の低減を目指しました。 アルファ・ラバルのAldox™ Mini脱気モジュールは、醸造工程で使用する高品質な脱気・炭酸化水および仕込み水を供給することで、生産性と製品品質の向上に貢献しています。

更新日 2026-08-20
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2015年の創業以来、Vocation Breweryは英国最大級の独立系クラフトビール醸造所へと成長しました。創業から2年後には、発酵工程後の処理設備としてアルファ・ラバルのBrew 80ディスクスタック型分離機を導入。現在では、スタウト、ペールエール、IPA、ラガーを年間1,000万パイント以上生産し、世界40カ国へ出荷しています。

「アルファ・ラバルのエンジニアリングチームとの緊密な連携により、分離機を当社のプロセスへ組み込む作業は非常にスムーズでした」と、Vocation Breweryの醸造責任者(Director of Brewing)であるMatt Howgate氏は語ります。

生産能力の拡大、高歩留まりの実現、そして妥協のない品質

醸造所内への脱気設備導入が最適な選択かどうかを判断するため、Matt氏は複数の醸造所を視察しました。その結果、優れた脱気性能、省スペース設計、ガスを液体から効率的に分離する大きな接触面積、操作のしやすさ、そして高度な制御システムを評価し、アルファ・ラバルのAldox™ Miniを採用しました。

「実際に稼働している脱気システムを見ることで、Vocation Breweryに自社の脱気設備を導入すれば、品質を損なうことなく生産能力や仕込みごとの総収率を向上させ、事業を次のステージへ進められると確信しました」とMatt氏は説明します。「当社規模の醸造所が自社で脱気システムを導入するのは珍しいことです。通常は、大手の国際的なビールメーカーが必要不可欠な設備として採用しています。」

発酵後の工程では、ビールと接触する水や仕込み水に含まれる酸素を除去することが非常に重要です。溶存酸素は風味や品質の安定性に悪影響を与える可能性があるためです。Vocation BreweryがAldox Miniを導入した当初の目的は、製品を包装する前にクラフトビールの品質をより細かく調整し、味わいを向上させることでした。

「Aldox Miniは、低流量条件でも高い酸素除去性能を発揮し、より高品質な脱気水および仕込み水を供給できることが分かりました」とMatt氏は続けます。

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品質管理の向上と、より持続可能な配管パージ

その後、同醸造所ではAldox Miniの用途を拡大し、高アルコール度数のビールを通常のアルコール度数へ調整する工程にも活用しています。脱気水を使用することで、アルコール度数(ABV)の測定値のばらつきを補正し、製品品質を安定化しています。脱気設備の導入により、Vocation Breweryの製品ラインアップ全体における品質管理が向上しました。

また、Vocation Breweryでは配管洗浄時のパージに二酸化炭素ではなく脱気水を使用するようになりました。これにより、水や仕込み水中の溶存酸素量を低減し、ビールの品質を保護しています。従来行われていた、沸騰水と二酸化炭素を用いた配管パージを不要にすることで、より持続可能なプロセスを実現しています。

「分離機の性能はもちろん、アルファ・ラバルのスタッフの対応も非常に優れていました。そのため、5年後に新たな脱気処理ラインへの投資を検討した際、真っ先に思い浮かんだのはアルファ・ラバルでした。
Vocation Brewery 醸造責任者(Director of Brewing) Matt Howgate氏

迅速な脱酸素化による生産性向上

Aldox Miniを導入する以前、同醸造所では脱気水を製造するためにストリッピングガス(二酸化炭素:CO2)を使用していました。しかし、この方法では処理に時間がかかるうえ、水中により多くの溶存酸素が残っていました。Aldox Miniは5分未満で溶存酸素濃度を10ppb未満まで低減できるため、より短時間で高品質なビールの製造が可能になります。

Matt氏は笑顔で次のように語ります。「当社における脱気水の製造能力は大幅に向上しました。現在では1時間当たり最大30ヘクトリットルの脱気水を生産でき、これは以前と比べて飛躍的な改善です。現時点の要求を十分に満たすだけでなく、将来的な生産拡大にも対応できる余力を確保しています。」