ブラジルの大手大豆加工企業の生産性向上を実現する革新的な分離機
アルファ・ラバルが開発した先進的な中核分離技術「XSEED 80」は、その名の通り、ブラジルの大手大豆加工企業において革新的な成果をもたらしています。処理能力を20%向上させるとともに、投資回収期間は約4カ月と見込まれています。
更新日 2026-08-24
ブラジル南部リオグランデ・ド・スル州に拠点を置くCamera Agroindustrialは、同国の大豆業界を代表する企業の一つであり、バイオ燃料分野の発展を牽引する存在です。
ブラジルで新たなバイオ燃料政策や関連規制が導入され、市場拡大の機会が生まれる中、Camera Agroindustrialは高まる需要への対応と、より厳格な品質要件の両立を図るため、処理能力の向上を必要としていました。
こうした二つの課題を解決するため、同社は市場投入前の段階で、既存の分離機をアルファ・ラバルの最新かつ大型モデル「XSEED 80」に更新することを決定しました。
処理能力の向上と収率の改善
複数の先進機能と革新的な設計を備えた次世代の遠心分離機であるXSEED 80は、実運転環境における初導入において期待を大きく上回る成果を上げました。さらに、投資回収期間が約4カ月と見込まれている点も、食用油メーカーにとって大きな魅力です。これはバイオ燃料生産に限らず、さまざまなプロセス要件に対応できる柔軟な構成が可能なためです。
「XSEED 80の導入効果は非常に高く、優れたプロセス収率、安定した信頼性の高い運転性能に加え、アルファ・ラバルから卓越したサポートを受けています」と、Camera AgroindustrialのオペレーションマネージャーであるFlavio da Silva氏は述べています。
XSEED 80は大型化されたボウル設計により、処理能力を20%向上させました。これは年間40,000トンのバイオディーゼル増産に相当します。
また、密閉型ボトムフィード入口設計による優れた分離性能に加え、LevelUp、次世代Centrizoom™、Operating Water Module(OWM)などの先進技術を採用することで、さらなる収率向上を実現しました 80は油分損失を0.5%削減し、これは年間約1,000トンの油回収量増加に相当します。
油品質の向上
処理能力向上という課題は見事に解決されましたが、より厳格な監督・品質管理基準に対応するうえで重要となる油品質についてはどうだったのでしょうか。
この点でもXSEED 80は優れた成果を発揮しました。精密な最適化調整により、高品質な脱ガム油を実現し、残留リン脂質濃度を10 ppm未満に抑制。その結果、追加の下流工程を必要としない品質レベルを達成しました。
さらに、Camera Agroindustrialの生産能力を最大限に引き出すこれら2つの主要なメリットに加え、XSEED 80は使用水量の削減、メンテナンス負荷の軽減、高い稼働率も実現しています。「今回の導入事例では、旧モデルと比較して平均25%の水使用量削減が達成できました」と、アルファ・ラバルの食用油・タンパク質分離分野グローバルスペシャリストであるFavian Guevara氏は述べています。
この成功事例は、先見性と大胆な意思決定の成果であると同時に、アルファ・ラバルとCamera Agroindustrialが長年にわたり築いてきた強固なパートナーシップの証でもあります。
「Camera Agroindustrialは、常に最新技術の導入を検討し、新しい挑戦を積極的に受け入れるお客様です」とFavian氏は語ります。「XSEED 80が初の産業用途であることを理解したうえで導入を決断され、その判断は非常に大きな成果として報われました。」
アルファ・ラバルに入社して以来5年間にわたりCamera Agroindustrialを担当してきたFabio Napolitano氏は、このプロジェクトの基盤となったのは相互の信頼関係であると説明します。
「私たちは長年にわたり協力関係を築いてきました。アルファ・ラバルは信頼できる技術パートナーとして認識されており、お客様は私たちの提案を高く評価しています。また、新しい特別仕様モデルが利用可能になると、積極的に試していただいています」と同氏は述べています。
「この取り組みは双方に大きなメリットをもたらします。お客様は新技術をいち早く導入することで競争優位性を獲得でき、私たちは実際の運転環境で性能を検証しながら改良を重ねることで、その技術が最大限の効果を発揮できるよう最適化できます。」
高性能かつ多機能なソリューション
XSEED 80の構造を詳しく見ていくと、高性能コンポーネントの組み合わせが優れた成果を生み出していることがわかります。
LevelUp機能は液液界面(インターフェース)の位置をより安定させ、ディスクスタックの性能を最適な状態に保つことで、高効率な分離を実現します。また、密閉型(Hermetic)入口構造では、製品がボウル下部の中空スピンドルから供給され、そのままディスクスタックへ流入します。この穏やかな供給方式により重液相の微粒化を抑制し、省エネルギー化と最終製品品質の向上に貢献します。
省エネルギー効果とダウンタイム削減は、可変速運転機能およびXSEEDシリーズの堅牢な設計によってさらに強化されています。例えば、ボウル回転速度を10%低減すると、最大20%のエネルギー削減が可能です。
新しいOWM(Operating Water Module)は、圧縮空気バッファを備えた空気圧ピストンを採用しています。これにより排出量を比例制御で調整でき、より高い制御性と安定性を実現します。また、ギアドライブ伝達機構は高精度ウォームギアを介してモーターの動力をボウルスピンドルへ効率的に伝達します。
この先進技術の中核を支えているのは、業界最高水準の耐久性を誇る材料です。ボウルには高性能ステンレス鋼を採用しており、バイオ燃料前処理や一部の脱ガム工程など、腐食性の高い用途において優れた耐食性を発揮します。また、ボウルおよび排出ライナーに施された硬質クロムめっきが卓越した耐摩耗性を提供し、装置寿命のさらなる延長に貢献します。
XSEED 80の革新的なパッケージを完成させる技術として、アルファ・ラバルは新バージョンのCentrizoom™を搭載しています。この技術は排出前に分離機内部の位置を調整し、液相界面を利用して重液相をボウル中心部へ押し戻すことで、ボウル内の液体シール損失リスクを低減しながら油損失を抑制します。その後、排出工程中も自動的に界面位置を調整します。
これにより、高粘度媒体の効率的な処理と製品損失の最小化が可能となり、Camera Agroindustrialのニーズに最適な性能を提供します。また、この新バージョンではIPコンバーターが不要となり、CZ位置信号を直接Centrizoom™へ送信できるため、校正作業も容易になりました。
こうした特長を備えたXSEED 80は、正式な市場投入後、食用油分離プロセスに大きな変革をもたらすことが期待されています。Fabio Napolitano氏は次のように締めくくっています。
「新しいXSEED 80は、最先端の分離技術と実績ある堅牢性を融合することで、お客様の各処理ラインのパフォーマンスを最大化します。油収率の向上、損失低減、油品質の改善、そして総保有コスト(TCO)の削減を実現し、お客様がより高い成果を得られるよう支援します。」