2025-03-25 Product News

アルファ・ラバル、アンモニア燃料供給システムで初の契約を締結 ― 海運業界の脱炭素化における重要なマイルストーンを達成 ―

アルファ・ラバルは、アンモニア燃料供給システム「FCM Ammonia」に関する初の契約を締結し、海運業界の脱炭素化に向けたソリューション開発におけるリーディングカンパニーとしての地位をさらに強化しました。  
このFCM Ammoniaは、天津サウスウエスト・マリタイムが運航するLPG/アンモニア運搬船7隻に搭載される予定です。

アンモニア推進の船舶が現実のものに

アルファ・ラバルは、アンモニアの活用を推進するリーダーとして、アンモニア燃料供給システム「FCM Ammonia」に関する契約を締結し、重要なマイルストーンを達成しました。これにより、アンモニアを燃料として扱うための技術的な準備が整っていることを示しています。FCM Ammoniaは、中国・CSSC黄埔文冲造船所にて、船主である天津サウスウエスト・マリタイム(TSM)の船舶に搭載される予定で、まずは25,000立方メートル級の船舶3隻に導入され、その後41,000立方メートル級の4隻にも搭載されます。

「私たちは研究開発、製品開発、戦略的なパートナーシップを通じて、低炭素代替燃料への安全かつ効率的な移行を実現するソリューションを構築しています」と、アルファ・ラバルの海洋分離機・燃料供給システム・熱交換担当責任者、ピーター・サーレンは語ります。「メタノールやLPGといった燃料に関する豊富な経験が、アンモニアでの取り組みにも大きなアドバンテージとなっており、今回の初契約は、信頼性と革新性を兼ね備えたソリューションで海運業界の脱炭素化を推進するという当社の姿勢を証明するものです。」

共同開発が生み出すイノベーション

このFCM Ammoniaの契約は、スイスのエンジン設計会社WinGDとの密接な協力による広範な試験と開発を経て実現しました。2024年12月には、スイス・ヴィンタートゥールにあるWinGDのエンジン・リサーチ・イノベーションセンター(ERIC)において、燃料供給システム全体、燃料バルブトレイン、ベント処理システムの包括的な試験が開始されました。これらの試験は、アルファ・ラバル・モンツァが提供した試験ベンチを用いて行われ、まずはベント処理システム(アンモニア排出抑制システム)の主要コンポーネントの性能を確認し、その後は様々なエンジン負荷条件下での制御ロジックと動作性能を検証します。

「アルファ・ラバルのような信頼できるパートナーとの連携は、クリーン燃料技術を市場に届け、アンモニア推進船の実現を加速するうえで非常に重要です。このパートナーシップと共同の研究開発は、持続可能な未来を実現するためのクリーンエネルギー転換に向けた、私たちの強いコミットメントを象徴するものです」と、WinGDの研究開発部門 副社長 セバスチャン・ヘンゼル氏は述べています。

FCM Ammoniaの試験に向けたWinGDとの共同開発プロジェクトは、商用化に向けた強固な基盤を築きました。さらに2024年12月には、韓国の造船会社K Shipbuildingが、アンモニアを使用するデュアルフューエルMR1タンカーの設計に関して、ABS(アメリカ船級協会)から基本承認(AIP)を取得しました。本プロジェクトは、K Shipbuilding(KSB)、アルファ・ラバル、WinGD、ABSの4者による共同開発であり、アルファ・ラバルはアンモニア燃料供給システム、燃料バルブトレイン、ベント処理システムなど、燃料システム全体の設計に貢献。さらに、Alfa Laval Aalborgによるアンモニア対応のデュアルフューエルボイラーもプロジェクト範囲に追加されました。水吸収と燃焼を組み合わせたベント処理システムの導入は、今回が初の事例となります。

この厳格な試験プロジェクトの成功は、業界全体に信頼をもたらしており、船級協会からの認証により、専門的な連携と堅牢なシステム設計によって、アンモニアが安全かつ実用的な海洋燃料であることが改めて証明されています。

TSM向けのFCM Ammonia初号機の納入は、2025年末を予定しています。TSMはすでにアルファ・ラバルのLPG燃料供給システム(FCM LPG)を採用しており、今回の契約は、進化する海運業界のニーズに応えるアルファ・ラバルの包括的な燃料ソリューションの提供能力を改めて示すものです。

WinGD、ABS、K ShipbuildingとのMOUに関するプレスリリースはこちら:

WinGD、アルファ・ラバル、ABS、K Shipbuildingがアンモニア燃料タンカー設計で協業

WinGDとの共同開発契約に関するプレスリリースはこちら:

WinGD、アンモニアエンジン開発でアルファ・ラバルと提携

アンモニア燃料向けの海洋機器およびソリューションの詳細はこちら:

アンモニア燃料向け 海洋機器およびソリューション | アルファ・ラバル

詳細情報はアルファ・ラバル海洋ソリューションWebページをご覧ください:

www.alfalaval.com/marine

本件に関するお問い合わせ先:

ピーター・サーレン
海洋分離機・燃料供給システム・熱交換 担当責任者(BU WWF)
アルファ・ラバル 海洋部門
電話: +46 70 353 54 23
Eメール: peter.sahlen@alfalaval.com

ヘレナ・サニコロ
マーケティング・コミュニケーション 副社長
アルファ・ラバル 海洋部門
電話: +46 70 569 3806
Eメール: helena.sannicolo@alfalaval.com

 

日本におけるニュース問合せ窓口
粟野寛隆
マーケティング&コミュニケーション部 マネージャー
アルファ・ラバル株式会社
E-mail:hp_alfajp@alfalaval.com

 

アルファ・ラバルについて
限られた資源を最大限に活用する力が、いまこれまで以上に求められています。アルファ・ラバルはお客様と共に、社会を支える産業に革新をもたらし、持続可能な未来に向けて前向きなインパクトを創出しています。私たちは、世界中の人々に必要なエネルギー、食料、清潔な水を届けると同時に、世界の物流を支える海運業界の脱炭素化にも取り組んでいます。

私たちは、お客様が資源の真の価値を引き出せるよう支援する技術とソリューションを先駆けて提供しています。お客様のビジネスがより強固になることで、持続可能な社会の実現に一歩近づきます。アルファ・ラバルは、プロセスの最適化、責任ある成長、そしてお客様のビジネス目標とサステナビリティ目標の達成に向けた前進を支援し続けています。私たちは共に、前向きなインパクトを創出します。

アルファ・ラバルは140年前に創業し、現在100か国に顧客を持ち、従業員数は22,300人以上。2024年の年間売上高は669億スウェーデンクローナ(58億ユーロ)で、ナスダック・ストックホルムに上場しています。

www.alfalaval.com

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アルファ・ラバル マリン・ディーゼル事業本部 マーケティングコミュニケーション担当副社長

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