2019-03-12 Product News
スクラバーシステム - 就役10周年を迎えて
2019年を迎え、世界的な硫黄分規制の施行まで残された時間はわずか1年。しかし海洋業界全体が慌ただしく準備を進める中で、ある重要な節目がすでに歴史に刻まれています。年が明け、Alfa Laval PureSOxスクラバーを搭載した最初の船舶が出港してから10周年を迎えたのです。
2009年、RO-RO船であるDFDS Ficaria Seawaysが貨物倉の拡張のために修繕ドックに入りました。船の改修中、21 MWの主機関から出る排ガスをクリーニングするために追加導入されたのが、ハイブリッドPureSOxシステム(クローズドループとオープンループの洗浄可能)でした。しかし試験設置の時点では、SOxスクラバーの見通しは決して確かなものではありませんでした。
「10年前は多くの人が、SOxスクラバー普及には課題が大きいと考えていました」と、アルファ・ラバルで排ガスクリーニング担当セールスディレクターを務めるErik Havemanは言います。「人々はスクラバーが相当吸う搭載され、船上で稼働しながら排出規制海域の制限をクリアできるという確信を、どうしても持てなかったのです。クローズドループ洗浄に対する不安は、さらに大きなものでした。アルファ・ラバルは長年にわたってイナートガスシステムの一部としてスクラバーを販売しており、クローズドループ運転に必要な水洗浄の専門知識を有していました。しかしながら、このときのシステムと挑戦はまったく新しい規模のものでした」
10年経った現在では、スクラバーと遠心分離式洗浄ユニット、どちらにもさまざまなメリットがあることに議論の余地はありません。何千時間もの適合運転を行ってきたFicaria SeawaysのPureSOxシステムは、現在も変わらず順調に稼働を続けています。実際、これまでに設置された他のあらゆるPureSOxも、同じように稼働中です。業界の他のどんなサプライヤーにも負けない、この非の打ち所のない実績を支えているのが、アルファ・ラバルが100年間にわたって積み上げてきた総合的な海上経験なのです。
理論から経験へ
「10周年はアルファ・ラバルにとって重要な節目ですが、世界的な硫黄分規制を目の前にするお客様にとっても、大きな意味を持っています」とHavemanは言います。「つまり、PureSOxについての当社の主張が空理空論などではなく、海上で何度も繰り返し証明されてきたということです。」
この10年間にわたってPureSOxはほぼすべてのタイプの船舶に設置されてきました。この経験は、限られたスペースに実践的な答えが求められる現在の追加導入ブームにおいて大いに役立つものです。アルファ・ラバルが見出してきた数々のソリューションは、船舶の複雑性だけでなく、造船所、エンジニアリング企業、関係するその他のパートナーとの複雑な連携プロセスにも対応しています。
未来に応える万全の体制
たとえ世界的な硫黄分規制が需要の急増を引き起こしていたとしても、アルファ・ラバルは生産能力の面でも一歩先んじています。スクラバー市場の黎明期に十分に機能する生産装置を開発していた当社は、それ以降も品質を保ちながら規模を拡大することに注力してきました。この極めて重要なプロセスとルーティンは、この大型プラントを製造するために十分な生産設備をすでに導入しています。
しかしながらおそらくより重要なのは、スクラバーのサービスと最適化の面でアルファ・ラバルが一歩先んじていることです。幅広い船舶にさまざまな条件でPureSOxを数多く設置してきた当社は、これまでに膨大な実践的知識を蓄積してきました。こうした知識は明確なPureSOxのサービス提供に詰め込まれ、現在も新たな方法で活用され続けています。スクラバーのコネクティビティを通じてシステムを最適化できるようにお客様をサポートすることも、そのひとつです。
「ようやく市場に参入しようとしている他のサプライヤーを尻目に、PureSOx Connectの提供によって、当社は次なる段階へと入ります」とHavemanは言います。「10年前、当社の試験的なPureSOxの設置は時代の最先端を行くものでした。今や当社は限界を押し広げ、船隊規模の排ガス洗浄装置搭載運営を実現しようとしています」
Alfa Laval PureSOxと排ガスクリーニングに対するアルファ・ラバルのアプローチについて、詳しくはこちらをご覧ください。
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