アルファ・ラバルがテスト&トレーニング・センターを拡張

デンマーク、オルボルグにあるアルファ・ラバルのテスト&トレーニングセンターが拡張されました。この特別な開発はLNGやその他の代替燃料に焦点を当てており、環境やエネルギーの目標達成に向けて努力するお客様の新たな課題や可能性に対応するものです。 この拡張により、燃料の種類を問わず、環境および燃焼技術に関する世界最先端のテストセンターが誕生します。

更新日 2023-11-27

NEAR Marine

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2014年に開設されたアルファ・ラバルのテスト&トレーニング・センターは、お客様のための技術開発の礎となっています。250㎡の試験スペースでは、2MWのディーゼル・エンジンやアルファ・ラバルの全海洋 製品グループの機器が実物大の商用船に近いシミュレーションを可能にしています。現在は、LNGやその他の代替海洋燃料を使用する船舶のバーナーや加熱システムの環境・燃焼技術に特化した1100㎡のスペースが追加されています。本格的な稼働については、2016年から2017年にかけて開始される予定です。

「LNGやその他の代替燃料は、海洋産業の環境やエネルギーに関する課題を解決する上で重要な役割を果たしていくと思います。アルファ・ラバルのテスト&トレーニング・センターの拡張を通じて、私たちは最先端の技術開発でこのシフトをサポートしていきます」。
アルファ・ラバル 船舶・ディーゼル部門 責任者 Peter Leifland

LNGへの道を開く

Leifland氏が言うように、アルファ・ラバルのテスト&トレーニング・センターの拡大は、多くの船主が取る新しい方向性と一致しています。わずか15年後には、現在500隻しかないLNG船が7000隻になると予想されています。

「IMOによるNOxとSOxの規制が相次いで強化されていることもあり、これは大きな変化です。NOxを85〜90%削減し、SOxをほとんど排出しないLNGは、魅力的なソリューションです」。(テスト&トレーニング・センター マネージャー Bodil Nielsen)

石油系燃料からLNGに移行することで、船舶は全体で20%の温室効果ガスを削減することができる一方、Nielsen氏は、転換するためには高度な技術が前提となるとも指摘しています。

技術を通した安全

ガスは、そのメリットと同じくらい大きい課題も抱えています。LNGは、貯蔵方法や輸送方法にかかわらず、メタンなどの温室効果ガスが気化してしまうため、環境面での課題があります。さらに、すべてのガス燃料は深刻な爆発の危険性があり、安全な取り扱いと処理のために高度な設備が必要となります。

アルファ・ラバルのテスト&トレーニング・センターでは、これらの課題への既存のソリューションが改良され、新たなソリューションが開発されます。                          「LNGが関与することで、いくつかの重要な工程が非常に複雑になるため、それに従って船上の技術もより高めていく必要があります。当社のディーゼル関連製品は、アルファ・ラバルのテスト&トレーニング・センターの存在によって”市場で最も実績のある製品である”と保証されてきましたが、今回の拡張によりガス関連製品もそれと同様になると思います」。(アルファ・ラバル 製品センター、ボイラー担当ヴァイス・プレジデント Lars Skytte Jørgensen)

多面的なイノベーション

今回拡張された施設は、あらゆる種類の燃料に対する環境技術を試すことができる唯一の施設となり、さらにさまざまな観点からの開発を促進します。既存のディーゼル関連のテスト・スペースと同様に、ガステスト・エリアでは、プロセス・ライン間の相互作用と相乗効果が検討されます。

 

Jørgensen氏はその例として、LNGから蒸発した温室効果ガスの燃焼を挙げています。「環境への影響を最小限に抑えるためにはガスを燃やす必要がありますが、私たちはそれを安全に実行するための最良の技術を開発し、そのエネルギーを熱や推進力として利用します。環境だけでなくエネルギー効率や経済性にも目を向けていくことで、この施設はガスエンジン船への転換を検討するお客様にとってアルファ・ラバル製品は確かな選択肢だと実感していただける存在になると思います」。

環境・燃料技術におけるリーダーシップの確立

デンマーク海事基金の支援を受けて実現したアルファ・ラバルのテスト&トレーニング・センターの拡張により、お客様や協力パートナーとの共同作業の新たな機会も提供されます。このような協力関係は、Alfa Laval PureNOx、Alfa Laval PureSOx、Alfa Laval PureBallast といった主要な環境システムの開発など、様々な分野で役立っています。

この施設の無二の機能と共に、協力関係が深まることで、環境・燃料技術の海洋専門家としてのアルファ・ラバルの存在がより強いものになると期待されます。                           Jørgensen氏:「アルファ・ラバルは、海運業界向けに環境および燃焼最適化システムの完全なパッケージを提供する世界で唯一の企業です。当社はこれまで船上に関する非常に多くの重要な側面に貢献してきたことから、喜ばしいことに多くの方が私たちの研究開発に参加したいと考えています」。

Bodil Nielsen氏:「アルファ・ラバルのテスト&トレーニング・センターは、ディーゼル燃料システムや関連する環境技術の高度な開発の中心となっています。ガス向けに新たに拡張されたこのセンターは、LNGやその他の燃料に関しても同様に強力な役割を果たすでしょう。ガス革命の到来によって、アルファ・ラバルは最先端を行くことになると考えています」。