バッテリーおよび正極材、負極材の製造
バッテリーの需要が増加し続ける中、今後数年間で新しいバッテリー化学や製造方法が登場し、商業化されていくと予想されます。バッテリーおよび活物質の製造において一貫して求められるのは、効率的な熱交換と分離技術です。
アルファ・ラバルが実現を支援:
- 製品回収率の向上
- 製品純度の最適化
- エネルギー効率の改善
- 持続可能な水管理
活物質およびバッテリー製造における循環型プロセスの加速
製品の結晶化から廃水処理、不純物の除去に至るまで、アルファ・ラバルはギガファクトリーや正極活物質(CAM)専用施設におけるプロセス改善を支援する多様な装置をバリューチェーン全体にわたって提供しています。アルファ・ラバルは、世界トップレベルの技術とプロセスノウハウを活かした協業を通じて、工程の最適化と資源使用量の削減を実現します。
CAM製造においては、アルファ・ラバルの蒸発システムがリチウム製品や副産物の結晶化に最適であり、遠心分離ソリューションは不純物の除去や液体からの結晶分離に優れた性能を発揮します。
さらに、CAM製造やギガファクトリーの製造工程では大量の廃水が発生するため、エネルギー効率の高い廃水処理がコスト削減と環境負荷の軽減に不可欠です。アルファ・ラバルのZero Liquid Discharge(ZLD)技術は、廃棄物の重量と体積を最小限に抑え、水の再利用を可能にします。このプロセスにより、本来失われてしまう貴重な材料の回収も可能となり、バッテリー製造における持続可能性と効率性の向上に貢献します。
プロセス概要
■ 正極活物質(CAM)およびリチウムイオン電池の製造プロセス
リチウムイオン電池に使用される正極活物質(CAM)の製造には、複数の重要な工程が含まれます。まず、金属硫酸塩、水酸化物、炭酸塩などの原材料を処理する原料準備から始まり、共沈法や固体反応によって前駆体を形成します。次に、リチウム化合物との混合・粉砕を行い、高温での焼成や焼結によって目的の結晶構造を得ます。その後、精製と粒度調整を経て、コーティングとカレンダリングによって電極スラリーを形成し、集電体に塗布します。
このような多段階プロセスを通じて、CAMは高性能な電池に必要な電気化学的特性を備えることができ、各工程では分離技術と効率的な熱交換が不可欠です。
■ ギガファクトリーにおけるリチウムイオン電池セルの製造
ギガファクトリーでは、リチウムイオン電池セルの製造に以下の主要工程が含まれます:
- 電極製造:正極・負極材料の混合、塗布、乾燥
- セル組立:電極とセパレーターの積層または巻取り、電解液の注入
- セル仕上げ:封止、エージング、品質検査
これらの工程では、熱交換の効率化が製造品質とエネルギー効率の両面で重要です。また、品質管理、梱包、物流の後には、各工程で使用された水の環境負荷を最小限に抑えるための処理が求められます。
アルファ・ラバルは、蒸発技術とZero Liquid Discharge(ZLD)技術を通じて、水の循環利用を最大限に高め、プロセス内への再利用を可能にします。この包括的なアプローチにより、効率的かつ持続可能なバッテリー製造が実現されます。
Zero Liquid Discharge(ZLD)システムによる水の完全再利用
アルファ・ラバルのZero Liquid Discharge(ZLD)システムは、堅牢かつコンパクトな設計で、主工程における結晶化装置として、また廃水処理ラインにおいて液体排出量の最小化を目的として活用されています。
この仕組みの中核を担うのが、アルファ・ラバルのAlfaFlash蒸発器です。プロセス液や水分を最大限まで除去する必要がある場合でも、ZLDシステムは高いエネルギー効率を維持しながら、他社技術と比べて省スペースでの導入が可能です。
このような技術により、バッテリー製造における水資源の再利用を促進し、環境負荷の低減と持続可能な生産体制の構築に貢献します。
蒸発器
アルファ・ラバルの蒸発器は、高効率な熱処理システムとして設計されており、プロセス液を経済的に濃縮しながら、最終製品の品質を維持します。特に、目的の化合物の濃度が非常に低いリサイクル工程において、その性能が発揮されます。
熱交換器
アルファ・ラバルは、高効率でコンパクト、かつ柔軟な設計を備えたガスケット式および溶接式のプレート型熱交換器を幅広く提供しています。
デカンタ遠心分離機
デカンタ型遠心分離機は、鉱物精製プロセスにおける不純物の除去や最終製品の分離・回収において、効率的な固液分離を実現します。
また、廃水処理工程でも重要な役割を果たしており、水やその他の重要な資源の回収・再利用を支援します。
Disc-stack separators
ディスクスタック型分離機は、高い信頼性と分離効率を兼ね備えた装置であり、主分離工程の後に行う仕上げ分離(ポリッシング)としての固液分離や、溶媒抽出プロセスの成功に不可欠な液-液分離にも活用できます。